COLUMN

コラム

2024.06.24

LTCCとは

山村フォトニクスのガラスセラミックス事業部では、「LTCC」と呼ばれるセラミックス材料の開発・製造を行っています。

「LTCC」とは、「Low temperature co-fired ceramics」の略で、 直訳では「低温同時焼成セラミックス」です。

低温?同時焼成??と気になるところかと思いますが、詳しい説明に入る前に、一旦ここでセラミックス関連の略語を整理したいと思います。HTCCやLTCC、MLCCと、似たようなものが多く、ややこしいので…。

 

HTCC…「High Temperature Co-fired Ceramics」の略。セラミックスと言えば一般的にこちらを指します。

LTCC…「Low Temperature Co-fired Ceramics」の略。日本語訳は「低温同時焼成セラミックス」。

MLCC…「Multi-Layer Ceramic Capacitor」の略。 日本語訳は「積層セラミックスコンデンサ」。

電極が印刷された極薄のセラミックスを積層・焼結して作られるコンデンサのこと。

 

さて、皆さんはLTCCにおける「Low tenperature」は何℃程度だと想像されるでしょうか?

 

これは電子部品用セラミックスにおいての「低温」になりますので、正解は900℃弱の温度となります。

十分高温じゃないか!と思われる方もいらっしゃると思いますが、焼成温度が1500℃程度となるアルミナなどのHTCCと比較しての「低温」ですので、900℃でも十分に低い温度、ということになります。

 

一般的に、「セラミックス」と言えば、もともとはアルミナなどのHTCCを指していました。ここにセラミックス系材料としてLTCCが登場した背景としては、電気抵抗が低い銀や銅を導体として使用できる900℃以下の低温で焼結可能な材料のニーズがあったことが挙げられます。

 

では、なぜLTCCは低温での焼成が可能なのでしょうか?

 

低温で焼成できる理由は、セラミックス粉末にガラス粉末を加えているからです。セラミックスより低い温度で溶けるガラスが焼結助剤の役割を果たし、アルミナのようなセラミックス単体の場合に比べ低温で基板化することができます。
また、このガラスの組成を変更することにより、熱膨張係数などの熱特性、誘電特性、機械的特性等をコントロールすることができます。山村フォトニクスでは、粉末がラスの開発を得意とする、親会社の日本山村硝子㈱ニューガラスカンパニーと共同で、ユニークなLTCCを生み出せるよう、日々開発に取り組んでいます。

 

 

 

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