COLUMN
コラム
2024.09.11
LTCCグリーンシートの経時変化
今回はLTCCグリーンシートの経時変化についてご紹介します。
まず、グリーンシートの「グリーン」とは何でしょうか?緑色の意味ではないですよ!
グリーンシートの「グリーン」は、「生の」という意味を持ちます。出来立ての生チーズのことを「グリーンチーズ」という言い方をするので、それに倣ってそう呼んでいる…ということらしいです。よって、グリーンシートというのは、焼成して基板になる前の「生の」シート材料、という意味になります。
さて、このグリーンシートですが、セラミックス粉末とガラス粉末をバインダーや溶剤と混合したスラリーを作製し、シート状に成形→乾燥して製造します。乾燥後のグリーンシート(製品)には、0.1~0.5%程度の残留溶剤が含まれます。残留溶剤はシートを焼成した際の収縮率に影響し、経時変化によって残留溶剤の割合が変化すると、収縮率のバラつきが大きくなる=焼成後の基板の寸法安定性が損なわれることになります。
小型化・薄型化が要求される精密機器に使用される場合、このバラつきの影響が大きいことから、山村フォトニクスでは、LTCCシートご使用前のエージングを推奨しています。
例)GCSシリーズ(標準品)グリーンシートの推奨エージング条件
シートの状態:キャリアテープ(PETフィルム)を剥離した状態
温度:18~25度
湿度:30~70%
環境:クリーン環境
時間:8~24h
エージングを行うことで、形状・収縮率の安定化に加え、viaズレによる断線などの防止にもつなげることができますので、ご使用の際はご検討いただけますと幸いです。